「蝋燭姫」の作家による心の機微を描く秀逸な短編集。鈴木健也『寒くなると肩を寄せて』

鈴木健也『寒くなると肩を寄せて』
「大学の先輩・園田さんが虫を食べる女性だと知り、気になってしょうがない竹内は、ある時、ノートを見せたお礼に食事をごちそうになりに彼女の部屋へと行くのだが・・・」
エンターブレイン----------ビームコミックス-----------2011年----------620円

「蝋燭姫」の鈴木健也氏の短編集です。
収録作品は、「水槽の街」「虫の味がする」「ジゼルとエステル」「ロズリーヌ・フラウの肖像」「淑女はドレスに着替えない」「少女と言うより痴女だった」「友達だなんて思ってないんだ」「芹沢くんと工藤くん」の8本です。最後だけが描き下ろしで、他はみな「コミックビーム」掲載作品です。

「Fellows!」に付いてきた小冊子が一冊にまとまった短編集。エンターブレイン『Awesome Fellows!（オーサム・フェローズ！）』

『Awesome Fellows!（オーサム・フェローズ！）』
カラーイラストギャラリー
メイドフェローズ
入江亜季「奥さまの起こし方」
福島久美子「23世紀のメイドさん♥」
高田健一「メイドメイドメイド」
冨明仁「華聖楽館の日」
梅津ゆり「幽霊屋敷の陽気な使用人達」
森薫「モードリン・ベイカー」
ロボットフェローズ
福島聡「Who's Fool No.1?」
入江亜季「えるのお留守番」
犬童千絵「青とグランドワーカー」
宮田紘次「MY PET ROBOT」
百名哲「整備兵」
丸山薫「Their Master's Voice」
ミュージックフェローズ
佐々木一浩「恋はいつも」
入江亜季「家族合奏」
犬童千絵「Aガール♡Bボーイ」
長崎ライチ「ふうらい姉妹番外編　芸術の秋」
宮田紘次「ききみみ図鑑　リプライズ」
真田順子「初恋クラシック」
福島聡「こみゅにけーしょん♡ぶれいくだうん」
メガネフェローズ
森薫「見えるようになったこと」
しおやてるこ「たまりば　番外編　あのハナにしてメガネあり」
入江亜季「会長の眼鏡伝説」
高田健一「メガセラ」
高橋那津子「おふろっタタン♪」
新居美智代「School girls」
昆裕美子「隣の人」
チャイナフェローズ
丸山薫「ヴォストーク・ナイト・クラブ/流感の日」
入江亜季「水中国の娘」
睦月のぞみ「100年目のイケニエ」
高田健一「紅菫月下」
高田築「男やもめ・チャイナパンツ」
犬童千絵「宵待草」
百名哲「ひみつのチャイナ」
小暮さきこ「オフィス街の華」
吉田聡美「今宵　舞うは・・・」
新居美智代「パンダ売りのチャイナ」
吉田覚「チャイナホール・ロマンス」
梅津ゆり「幻々楼開店中」
高橋拡那「紅竜会のおしごと」
エンターブレイン-----------ビームコミックス-------------2011年------------740円

エンターブレインの隔月雑誌「Fellows!」にたまについてくる小冊子のシリーズを一冊にまとめて単行本にした本です。
収録されているのは、「メイドフェローズ」「ロボットフェローズ」「ミュージックフェローズ」「メガネフェローズ」「チャイナフェローズ」の五つです。まあ、小冊子は全部持ってるんだけど買っておいた。

妖精たちがこの現実世界に作り出され・・・。安堂維子里『妖精消失』

安堂維子里『妖精消失』
「薬品研究所に勤める橋本荘一郎は右目の奥にある腫瘍に苦しんでいたが、それとともに不可思議な木々と小さな『妖精』が見える謎の幻覚に悩まされていた。手術によって目と仕事を失うことも考えられる不安の中、その『妖精』が橋本になにかを伝えようとしていて・・・」
徳間書店------------リュウコミックス--------------2011年------------590円

「世界の合言葉は水」の安堂維子里（あんどういこり）氏の二冊目の単行本が発売になりました。
妖精たちが現実の世界へと現れるファンタジックなSF的作品です。

配信がはじまったエロ漫画。そして他の仕事にも挑みはじめ・・・。ハナムラ『ハナムラさんじゅっさい』第2巻

ハナムラ『ハナムラさんじゅっさい』第2巻
「ついにはじまった携帯でのエロ漫画配信。売れたか売れないかを気にするハナムラだったが、編集の白井さんはなぜかなかなか結果を教えてくれない。ハナムラは思い切って聞いてみるのだが・・・」
銀杏社-----------漫画街コミックス------------2011年-------------619円

三十歳になろうというのに連載を持てないで鬱屈した想いを抱いている漫画家が美人編集さんとともにエロ漫画を作ったりする半実録漫画の第２巻。

「Sunny（サニー）」「≒ -ニア・イコール-」「-ヒトガタナ-」など、最近読んだ少年漫画20110311

最近読んだ少年・青年漫画をまとめて紹介します。



今村陽子『Sunny（サニー）』
「兄夫婦の遺児・あきらと同居するため、18年振りに実家に戻ったハルは、そこであきらが少年ではなく少女だと知る。しかも、あきらはすでに二人の同級生と暮らしていた。こうしてハルは、16歳の女子高生三人といきなり同居することになってしまい・・・」
少年画報社-----------ヤングキングコミックス------------2010年------------543円

青年がいきなり三人の女子高生と暮らしはじめるヒューマンドラマ。実は秘かに懸想していた兄嫁の娘が相手ということもあり、ちょっと思うところありなハル。そしていきなり両親を失ってしまったあきらは、母親との関係に問題があり、そこらへんも絡んで心に傷を負っています。
この二人をあきらの同級生である二人の美少女が一緒に支えてくれることになります。
１巻ではもったいないくらいいい話でした。こういう話大好きです。

田舎の少年少女が宇宙人を助けたお礼に宇宙へ連れてってもらうのだが・・・。舛成孝二監督『宇宙ショーへようこそ（Welcome to THE SPACE SHOW）』

舛成孝二監督『宇宙ショーへようこそ（Welcome to THE SPACE SHOW）』
「田舎に住む小山夏紀、鈴木周、佐藤清、西村倫子、原田康二の五人の小学生は、夏休みに学校で子供たちだけで過ごす合宿をするため集まった。その時、ウサギ小屋からいなくなった兎を探すため裏山を歩きまわるうちに、草原にミステリーサークルを発見し、そこで怪我をした犬を助けることになる。だが、驚いたことにその犬は、人の言葉を喋る犬型の宇宙人・ポチ・リックマンだったのだ・・・」
アニプレックス/A-1 Pictures------------脚本/倉田英之---------キャラクターデザイン/石浜真史--------声優/黒沢ともよ、生月歩花、鵜澤正太郎、松元環季など----------2010年上映-------2011年発売---------136分

去年の夏に上映していたアニメ映画「宇宙ショーへようこそ」を見ました。

じーちゃんとゾンビ研究していた美少女ダリンが南の島からやってきて・・・。はっとりみつる『さんかれあ』第3巻

はっとりみつる『さんかれあ』第3巻
「蘇世丸によってゾンビになってしまったのに『普通の生活を送る』ということに拘るお嬢様ゾンビ・散華礼弥（さんかれあ）。彼女の通学を手助けする降谷千紘（ふるやちひろ）だったが、じーちゃんの元に謎の美少女・来宮・ダリン・アーシェントに目をつけられてしまう。彼女はかつて南の島でじーちゃんとゾンビ研究をしていたというのだが・・・」
講談社---------講談社コミックス----------2011年------400円

ゾンビっ娘ラブコメ漫画の第3巻が発売になりました。連載は「別冊少年マガジン」。

アイドル声優が禁断の一線を越える・・・。千明太郎『キミイロフォーカス』第5巻

千明太郎『キミイロフォーカス』第5巻
「一緒に連れ回された平本綾が、アイドル声優・平野綾子だと気付いた花園大路。それでも次々と魅力的な彼女の姿を写真に撮り続ける。そして我が家に連れて行って二人だけの撮影をはじめるのだが・・・」
秋田書店---------少年チャンピオンコミックス--------2011年-------400円

「プリプリ」の千明太郎氏による写真部漫画。主人公の花園大路は、「アイドルメーカー」としての才能で、次々と女の子たちの魅力的な姿を撮影していきます。
今回のヒロインは、前巻の続きでアイドル声優の平野綾子、そして次の話では金髪ハーフの田舎娘です。

愛する者だからこそ牝犬としての痴態を晒すことに興奮できる。LINDA『ラブ♡ビッチ』

LINDA（リンダ）『ラブ♡ビッチ（LOVE♡BITCH）』
「乱暴な三浦先輩と付き合っている千里先輩に懸想する佐藤は、二人の関係を心配していたが、ついに千里は三浦から捨てられてしまう。なのに未だに自分が悪いんだと言う千里に、佐藤も自分の思いも苦悩もあなたのせいだと責めはじめ・・・」
ワニマガジン社-----ワニマガジンコミックススペシャル-------2010年-----1000円

艶かしい女体表現で知られるLINDA氏の単行本。出たの一年くらい前ですが、記事にしてなかったので。
収録作品は、「優しい女」が三話、「人妻合コン♥」「Truth」「SEXフレンド・・・EXTRA」「SEXフレンド・・・」「こどもじゃないもん！」「Marriage Blue」「知らぬは亭主ばかりなり」「パーフェクトサークル」「オータムクレイジー」「ママの火遊び♥」「今年中に・・・」の14本。

サラさんがまだこんなにも子供だった頃の話・・・。伊咲ウタ『サヤビト SWORD OF DESTINY』第4巻

伊咲ウタ『サヤビト　SWORD OF DESTINY』第4巻
「人の形をした剣にして主人に仕えるサヤビト。主人の命令を絶対とするサヤビトであるリヴィアとクイファは、世にも珍しいサヤビト同士の主人にしてヤサビトという組み合わせで、ローヴェクの『黒の守護神（プレティトーレ）』に所属して、希少なサヤビトの保護・管理のために働いていた。ある時、未登録のサヤビトがいるという情報から、片田舎のローブ村へ向かった二人だが・・・」
講談社--------アフタヌーンKC--------2010年------------562円

人の形をした剣にして主人に仕えるサヤビトたちの悲しくも素敵な物語の第４巻。連載は「good!アフタヌーン」。