人気作家・有栖川有栖の推理小説のコミカライズ。鈴木有布子『月光ゲーム』

微妙な妹弟愛（？）を描いた『旬（いまどき）』の鈴木有布子氏が、人気作家有栖川有栖氏のデビュー作『月光ゲーム』を漫画化しました。
その単行本が発売されたので購入。



有栖川有栖＆鈴木有布子『月光ゲーム』
「京都にある英都大学の推理小説研究会（EMC）の面々は、合宿と称して矢吹山にキャンプに出かけることにした。そこで出会ったのは雄林大学のハイキングサークルのメンバーや、短大の三人組たちだった。意気投合した彼らはキャンプ場で楽しい時を過ごすのだが、道が崩れて山の中に閉じこめられてしまう。そんな中、メンバーの中の一人が殺されてしまい・・・。」
マッグガーデン-------ブレイドコミックス-----2006年-----552円

原作は『月光ゲーム　Yの悲劇'88』。作者と同名の主人公・有栖川有栖が、同好会の先輩・江神二郎などを中心とした人たちと事件に出くわしていくようなシリーズものの１番はじめの話、らしい。
今まで、推理小説原作の漫画というとどれも少々失敗してるのが多かったので、はじめは買うのを躊躇したのですが、鈴木有布子氏が描いてるので買いました。

性別違いの人格入れ替わりドタバタコメディーの覇道を征く。森永あい『僕と彼女のXXX』第１巻

「何らかの理由である人物とある人物の人格だけが入れ替わる」というのは、漫画としてはあまりにもありふれたネタのひとつですが、それを正面から扱い、なおかつ十二分に面白い作品に仕上げているのが、この森永あい氏の『僕と彼女のXXX（ペケみっつ）』です。



森永あい『僕と彼女のXXX（ペケ３つ）』第１巻
「可憐な美少女として知られる桃井菜々子は、乱暴者としても知られていた。そんな彼女に恋をしてしまった柔和な性格の同級生・上原あきらは、ある日学校を休んだ彼女の家に届物を持って訪ねることになる。そこで彼は、天才科学者でもある祖父によって菜々子が人体実験にかけられるところに巻き込まれてしまう。目覚めた二人は自分たちの人格が入れ替わっているのに愕然とするが、実験の機械は壊れ、元には戻れないことに。こうして『僕と彼女』の恐るべき交換人生がはじまるのだが・・・。」
マックガーデン-----ブレイドコミックス。2003年---552円

だいたいこういうネタの漫画では入れ替わった男が、女の秘密の世界でいろいろ美味しい目にあったりして「ウハウハですな、これは！」とかいう状態を楽しみ、女の方は男の恐るべき汚い世界を体験する、とかそんな感じなんですが、これはその逆バージョン。乱暴者でガサツで無神経な女の子・菜々子の中に入ってしまった上原あきらは、その柔和な性格が美少女・菜々子の体にぴったり合ってしまい、菜々子の女らしさをまき散らし、荒々しい菜々子が入った方は男らしくなってモテてしまったりと、従来であればより好ましい方向性になります。もっとも、それで苦労するのは菜々子の中に入ってしまったあきらだけで、菜々子は男の体を思う存分楽しみます。ええ、そりゃ楽しみますよ。あきらが菜々子の裸の体でハッスルしてるのとは大違いで、男になった菜々子が体の持ち主より先に男の機能をいろいろ楽しんでしまいます。スッキリした後は肌もツヤツヤなくらいに。