美しくあっても意味はない。伊藤悶『ただひとり、あなただけ』。あと、知原えす『熱砂を駆ける恋』も。

伊藤悶＆ルーシー・ゴードン『ただひとり、あなただけ』
「化粧品会社のオーキッド社の宣伝部で活躍するディーリア・サマーズは、その美貌とそれに伴う人々の反応を当然のものとして受け止めて生きてきた。しかし、ある時、車で盲目の男ロックスレイの盲導犬ジェニーをはねてしまう。彼女は盲人である彼に自分の美貌が通用しないことに戸惑い、恥じ入る。しかも、その後ロックスレイが仕事相手の広告代理店の社長だということを知り・・・」
宙出版-------ハーレクインコミックス-------2006年------600円

うーん、久々に伊藤悶氏の作品読みました。やっぱこの作家さんの作品好きです。
まあ、これはハーレクインということで原作付きですが、そういったものを見せる技術としてもとても巧く、展開と結末の良さはここ最近のハーレクインの中ではピカ一かも。
目の見えない人を相手にすることで、自分がいかに自分自身の美貌にたより驕っていたのかということを知るディーリア。彼女が誇り高く挫けない男であるロックスレイに惚れていきます。彼にはすでに10歳くらいの娘アリソンがいて、さらにロックスレイ自身も自分のことで悩んだりどうしたりで、最後は彼が手術して目が見えるようになります。私個人としては、手術して直るという展開は不要だったように思えますが、盲目のままではハーレクインが求める「完全性」に抵触するので（ハーレクイン作品では貧窮者や不具者や敗北者は恋愛の結末の対象とはならないようになってます）、ちょっともったいなかった。
この話、もうちょっと長帳場でやって欲しかったけど、まあ、ハーレクインはページ数が決まってるから仕方ないでしょう。

あと、ついでにこれも読んだ。

知原えす『熱砂を駆ける恋』
「自分にとって思い出深い家をホテルにするため尽力したルーシー。しかし、転換事業は失敗し、多額の負債のみが残るかと思われたその時、カールという男を巡り会い、一夜だけ愛し合う。その後、なんとかホテル化を成功させることができたルーシーは、あの時の子供を身ごもり出産。そして本来の仕事インテリアデザイナーへと戻る。それから一年、砂漠の国アバダンでの王宮の内装を扱う仕事を受けたルーシーは、そこでカールと再び出会う。だが、彼はこの国の次期国王たる人物で・・・」
宙出版--------ハーレクインコミックス---------2006年------600円

知原えす氏のハーレクイン作品はかなり好きなんですが、これはちょっと話の内容に不満の残る作品でした。
爽快感が無いというか、納得しきれない感じで二人が最終的にくっついてしまいます。はじめの部分のみちゃんと一目惚れ的恋愛をしてるのですが、その後の王宮でのやりとりとかはあまりいただけない感じ。互いの思いが上手く伝わってないのに、最後はラブラブってのはどうもな～。ハーレクインにはよくある消化不良のキーワード展示型作品になってしまってます。

そういや、知原えす氏のデビュー作品って、『少女フレンド』にのった『たいへんよくできました。』という作品らしい。

　　
「ガラスの靴で約束を」「クリスマスに見た夢は…—Christmas」「フェイス 1」
最近はハーレクインものが多いみたいですね。


　　
「愛を知らない億万長者」「呪い遊び 1」「永遠をさがして」
こちらも基本的にはハーレクインばかり。『呪い遊び』は３巻まで出てます。

---------------------------

ディズニー、携帯参入へ 日本で、Ｓバンクが回線提供 （エキサイトニュース）
ディズニーと携帯電話ってのがイメージとして結びつかないなぁ。キャラクター携帯とか出しそうだけど、ミッキーの顔型のやつ出してくれ。

11月6日～、マリみて漫画（クロイチゴ）
ハロウィンネタからなんか違うものになってますが、どの展開もすげえイイ。

---------------------------
関連サイト
ハーレクインコミック
http://www.ohzora.co.jp/sp/hqc/
ハーレクイン公式
http://www.harlequin.co.jp/index.html

この記事もどうぞ。
愛することで淫らになることを自分に許すのなら。鳴神ゆった『不埒な天使　淫らな花』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/205/
少女たちの心地よい「女の子」感覚のやりとりが絶妙。森永みるく『GIRL FRIENDS（ガールフレンズ）』第１巻
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/320/
最強OLが道ばたで拾った男をペットとして一緒に暮らすことに。小川彌生『きみはペット』第１巻
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/242/