下戸なのにお酒の研究してるアワモリくんの運命やいかに！ 宇仁田ゆみ『酒ラボ（サケラボ）』

『夏子の酒』『もやしもん』『神の雫』と、私の読んでる酒漫画は講談社ばっかりです。この『酒ラボ』もそう。



宇仁田ゆみ『酒ラボ（サケラボ）』
「下戸でちょっとヘタれた青年・アワモリくんは、とある農業大学の発酵醸造学研究室にて勉強中。変だけどひと味もふた味もある仲間たちとともに、酒を飲みつつ研究の日々。そんなアワモリくんの日常的風景」
講談社---KCDX--2006年---581円

農業大学が舞台で、酒まみれとなれば、アニメ化が決定した『もやしもん』がパッと思いつくかもしれませんが、他にもありましたよ。酒＆農大漫画。だいたい2005年あたりの『KANSAI一週間』に掲載された作品ですが、ほとんど知られてないかと。ちょうど単行本手に入れたのでご紹介。
作者は、たしか白泉社の『ヤングアニマル』でデビューした宇仁田ゆみ氏。この人の作品は、ガバッっとパワーのあるタイプではないのですが、じんわり効いてくるようないい味が出てるので、デビュー当時から大好きです。静かに密かに優しく暖かい感じ。女の子たちの表情とかもたまらない。

某県の山の上にある某農大に通うアワモリくん。お酒の発酵やら醸造やらを研究している研究室で勉強しているというのに、なんと彼は下戸だという。いったいなんでここにいるのやら、と自分でも思ったりもしないでもない。
教授の下、数人の仲間たちと勉強にいそしむわけですが、この同室の人たちが面白い人ばかりです。イケメンで蔵元の息子・コージ、別の蔵元の息子・知隼（ちはや）、いつもカリカリした女の子・サエさん、かわいいかわいいほのかちゃん、あと研究室に住み着いてる院生の酒井さん。そんな濃い人たちばかりだけど、みんなそれぞれしっかりした人たちでもあるわけで、１人ふらふらした中途半端なアワモリくんは、少しやるせない気持ちになってしまったり・・・
そんなアワモリくんの大学生活を綴ったこの一冊。これで完結ですが、酒の話や、仲間たちとの交流が、面白く描かれていて、非常に好感の持てる作品です。アワモリくんも、翻弄されてるんだか、たよられてるんだかの素敵な人間関係を築き、悩みつつも、成長していくのです。
『もやしもん』に似てるというよりも、このテンポはやっぱり宇仁田ゆみ作品だなぁ～、と思わせる、いい話でした。

この漫画に出てくる、飲み干さないと杯を置けない形になってる「可杯（べくはい）」ってのは面白いなぁ～。下戸にとっては悪魔のようなお猪口だが。

　　

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今日も今日とて仕事でした。

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関連サイト
ウニタコウボウ
http://homepage2.nifty.com/unita/
日本醸造協会
http://www.jozo.or.jp/
独歩堂
http://www.doppo.net/index.htm

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