管理人・マミヅクによる漫画とライトノベルの感想ブログ。昔は毎日更新してましたが最近は月に数回になってしまいました。書評・論評・批評・レビューというより感想・お勧め、という感じになっていきそう。自分の読んだ漫画・ラノベを紹介してくので、ネタが新刊ばかりというわけではありません。むしろ古いものも進んで扱っていきます。前のアメブロでのブログだと記事がエクスポートできないのでこちらへ移転。少年漫画でも少女漫画でも18禁でもBLでもアクションでも恋愛でもSFでも、なんでも扱います。現在買ってる漫画雑誌は『週刊少年マガジン』『アフタヌーン』『X-EROS』『ホットミルク』『ヤングキングOURS』『夢幻転生』『月刊少年エース』『エンジェル倶楽部』『月刊モーニング・ツー』『MCあくしず』『ホットミルク濃いめ』『メガストアα』『快楽天』『ExE』という感じでエロマンガ雑誌が多め。最近、ラノベはかなり少なめ。
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坂本眞一&新田次郎『孤高の人 THE CLIMBER』第17巻
集英社----------ヤングジャンプコミックス-----------2011年-----------514円
新田次郎の登山小説・「孤高の人」を時代と舞台を現代に変えて描いた作品「孤高の人」ですが、やっと全17巻を読み終えました。前に3巻まで読んだあと、つい積んでしまい、今回の冬休みに一気読みで読了。一年以上もほっておいてもったいないことをしました。
作者は、「益荒王」の坂本眞一氏。連載は「ヤングジャンプ」。2010年の第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品。
あまりにも生きづらい性格の青年・森文太郎が、ただ山を登るということだけに魅了され、とりつかれたように全力を傾けて登山に打ち込み、ついには人類が未だ到達したことのないカラコルム山脈の高峰、K2の東壁という最悪に困難な登山に挑むことになります。
主人公・文太郎は、人付き合いがまともに出来ない感性の持ち主であり、皆で協力して登る、という登山にはまったく向いてないわけですが、実際そのことで学校での知り合いは散り散りになり、社会人になってからのはじめの仲間は全員死んでしまいますし、その後も人間関係に仄かな期待を抱いては傷つけられ苦しめられていきます。誰もが彼を傷つける。それに、知り合った様々な人たちは、誰もがまるで森文太郎の目的を支えてくれる重要な人物なのか、とも思わせておいて、実はだれもが通り過ぎるだけの人物ばかりでした。ここらへんがなんとも悲惨で、普通の物語にあるような「仲間の力」といったようなものがまったく彼に残らないんですよね。最後の最後まで他人は彼の問題となって残ります。
そして、そうした虚構の人間たちが山の力によって、ことごとく剥ぎ取られ、ただ、山と文太郎だけが残ることで、はじめて山が文太郎に応えてくれるのです。雑事のための僅かな余地すら許さない過酷な山。無慈悲で圧倒的、だけどそれを求めずにはいられない山。そこにはもはや、「自分そのもの」しか残されることがない場所です。こうして、赤裸々な自らの魂を晒したまま山の頂を目指す文太郎が、極限状態での幻覚と無意識の中で、誰も寄せ付けようとはしなかった心のその中核とでもいうべきものを見せることになります。世界の頂きは世界の限界点であり、あまりにも小さく不器用なひとりの青年が肉体と精神の限界を極め、行き着くべくして行き着いた限界点でもあったのではないでしょうか。
まあ、なんにせよ、凄い物語でした。結末はこれで良かったという思いとこれでいいのかという疑問が半々ですが、深い感銘を受けたのは間違いありません。特に山という極限の場所や人間の思考や感情について、極限の描写力を発揮したその画力には唸らせるものがありました。最後の方は擬音が全然使われてないんですが、16巻の作者コメントでなんか凄いこと書いてるんですよね。「擬音を信用しなくなった。漫画がコマの芸術だと言うならば 絵とテンポだけで 読み手の頭の中から 真実の音を導きだせるはずだ」って。すげえぇぇ!www 実際、そんな感じになってますよ!
物語構成についてはツッコミたいところはいろいろあります。なんだろう。出てくるキャラクターの扱いが「Capeta」と近い感じというのかな。思わせぶりで登場したキャラがほんとことごとく物語を引っ張らないんですよね。使い捨てというか。そこらへんが、まるで各駅停車に乗ってたと思ったら急行に乗ってた、みたいな感覚でした。これ、あえて狙ってやってる・・・のかな? ちょっとわかりません。まあ、そのおかげで文太郎の感覚、孤高感とでもいうのか、が出てたような? これはこれでいいとも思います。
二宮と蒼って、もう一回出てきてもよかったんでは?
原のことは正直忘れてましたwww
ああ、でもストーカー女のことは読み終わるまで忘れてた。あの女もあれで終わりなのか?
黒沢はもうちょい最後の方の話に絡んできてもよかったのでは?
などなど。まあ、ここらへんのことも物語的には重箱の隅なのかな。
「ヒマラヤ 運命の山 DVD」「岳 -ガク- Blu-ray豪華版(2枚組)」「神々の山嶺 5 集英社文庫版」「岳人列伝」
-------------------------------------------------------------------------------
新年そうそうから残業。あと、今年の半ばまでに面倒なことになりそうだという話もされた。うぐぐ。
「霊感検定」「憂鬱なヴィランズ 2」「中二病でも恋がしたい! (2) [Blu-ray]」「シュガービーチ (2) 」
-----------------------------------------------------------------------------------
関連サイト
集英社 週刊ヤングジャンプ公式サイト - Web YOUNG JUMP
http://yj.shueisha.co.jp/
坂本眞一 (@14MOUNTAIN) on Twitter
http://twitter.com/#!/14MOUNTAIN
加藤文太郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E8%97%A4%E6%96%87%E5%A4%AA%E9%83%8E
この記事もどうぞ。
人間関係がうまくいかない少年がクライミングに出会って衝撃を受ける・・・。坂本眞一&新田次郎『孤高の人 THE CLIMBER』第1巻から3巻
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/2677/
そろそろ実写映画が公開になる山岳漫画の傑作! 石塚真一『岳(ガク)』第14巻
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/2440/
ネパールに住み着く謎の日本人ポーターの極限の登山を描く。谷口ジロー&遠崎史朗『K(ケイ)』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/1395/
厳しくも清廉なる山々の間に木霊する人々の想い。紅林直&生田正『山靴よ疾走れ!!(さんかよはしれ)』全5巻
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/723/
遭難から奇跡の生還。そして三人の関係は・・・。塀内夏子『イカロスの山』第10巻(最終巻)
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/683/
主人公・文太郎は、人付き合いがまともに出来ない感性の持ち主であり、皆で協力して登る、という登山にはまったく向いてないわけですが、実際そのことで学校での知り合いは散り散りになり、社会人になってからのはじめの仲間は全員死んでしまいますし、その後も人間関係に仄かな期待を抱いては傷つけられ苦しめられていきます。誰もが彼を傷つける。それに、知り合った様々な人たちは、誰もがまるで森文太郎の目的を支えてくれる重要な人物なのか、とも思わせておいて、実はだれもが通り過ぎるだけの人物ばかりでした。ここらへんがなんとも悲惨で、普通の物語にあるような「仲間の力」といったようなものがまったく彼に残らないんですよね。最後の最後まで他人は彼の問題となって残ります。
そして、そうした虚構の人間たちが山の力によって、ことごとく剥ぎ取られ、ただ、山と文太郎だけが残ることで、はじめて山が文太郎に応えてくれるのです。雑事のための僅かな余地すら許さない過酷な山。無慈悲で圧倒的、だけどそれを求めずにはいられない山。そこにはもはや、「自分そのもの」しか残されることがない場所です。こうして、赤裸々な自らの魂を晒したまま山の頂を目指す文太郎が、極限状態での幻覚と無意識の中で、誰も寄せ付けようとはしなかった心のその中核とでもいうべきものを見せることになります。世界の頂きは世界の限界点であり、あまりにも小さく不器用なひとりの青年が肉体と精神の限界を極め、行き着くべくして行き着いた限界点でもあったのではないでしょうか。
まあ、なんにせよ、凄い物語でした。結末はこれで良かったという思いとこれでいいのかという疑問が半々ですが、深い感銘を受けたのは間違いありません。特に山という極限の場所や人間の思考や感情について、極限の描写力を発揮したその画力には唸らせるものがありました。最後の方は擬音が全然使われてないんですが、16巻の作者コメントでなんか凄いこと書いてるんですよね。「擬音を信用しなくなった。漫画がコマの芸術だと言うならば 絵とテンポだけで 読み手の頭の中から 真実の音を導きだせるはずだ」って。すげえぇぇ!www 実際、そんな感じになってますよ!
物語構成についてはツッコミたいところはいろいろあります。なんだろう。出てくるキャラクターの扱いが「Capeta」と近い感じというのかな。思わせぶりで登場したキャラがほんとことごとく物語を引っ張らないんですよね。使い捨てというか。そこらへんが、まるで各駅停車に乗ってたと思ったら急行に乗ってた、みたいな感覚でした。これ、あえて狙ってやってる・・・のかな? ちょっとわかりません。まあ、そのおかげで文太郎の感覚、孤高感とでもいうのか、が出てたような? これはこれでいいとも思います。
二宮と蒼って、もう一回出てきてもよかったんでは?
原のことは正直忘れてましたwww
ああ、でもストーカー女のことは読み終わるまで忘れてた。あの女もあれで終わりなのか?
黒沢はもうちょい最後の方の話に絡んできてもよかったのでは?
などなど。まあ、ここらへんのことも物語的には重箱の隅なのかな。
「ヒマラヤ 運命の山 DVD」「岳 -ガク- Blu-ray豪華版(2枚組)」「神々の山嶺 5 集英社文庫版」「岳人列伝」
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新年そうそうから残業。あと、今年の半ばまでに面倒なことになりそうだという話もされた。うぐぐ。
「霊感検定」「憂鬱なヴィランズ 2」「中二病でも恋がしたい! (2) [Blu-ray]」「シュガービーチ (2) 」
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加藤文太郎
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昔から漫画大好きでライトノベルもよく読みました。現在も毎日、何かしら読みまくってます。部屋は六畳間に本棚四つな上に、床が見えないという酷い状態になるくらい漫画まみれでラノベづくしです。
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