夢枕作品初の裸エプロンものは獣人系のワイルド美女だよ！ 『マガジンＺ』掲載の『荒野に獣慟哭す』

最新の『マガジンZ』が1月26日に発売されましたが、この雑誌に連載している『荒野に獣慟哭す』が、どてらいことに。
『荒野に獣慟哭す』といえば夢枕獏氏が1990年代に書いたバイオものの伝奇小説で、それを『Ｚ』で漫画化させたのが、才能あふれる漫画家・伊藤勢氏。夢枕氏の世界観やストーリーが、伊藤的に上手く昇華された良作です。

　　

『荒野に獣慟哭す』
略説
突然目覚めた御門周平には記憶の混乱があった。しかも彼は自分の肉体が変化していることに気付く。実は彼は人間を変異させる「独覚ウイルス」が感染していたのだ。それは何者かの手によって人間兵器『独覚兵・獣化兵』たらしめ、莫大な利益を手に入れようともくろむ巨大企業の策謀としった御門は、同じく独覚兵となった敵と、壮絶な人外の戦いを繰り広げるのだった・・・。

という硬派な内容の小説だったのですが、それはそこ、伊藤勢氏の手にかかれば、魅力的な絵と緩急自在のテンションをもってして、なんとも楽しめる漫画となっています。アクションは抜群ですし、キャラクターがどれも本当に魅力的です。実は夢枕獏氏もしっかり話に食い込んで登場しちゃうというオマケつき。

それで！　今回の掲載分において注目すべきは、夢枕獏作品では初となると思われる、「裸エプロン」です！

今回の話では前回倒れた御門と獣化兵のマコラが同じベッドで眠るシーンがあるんですが、そこでマコラが見てる夢の中で、マコラが裸エプロンとなって御門大喜び、みたいな描写があります。残念ながらお見せできる画像が無いのですが、これは凄い。いや、何が凄いかって、まさか夢枕獏作品で、裸エプロンが見れるとは思わなかったです。夢枕歴15年以上の私ですが、多数の作品の中ではじめて見ましたよ。しかも、マコラは獣化兵、つまり獣人ですからね。マコラは猿系の獣化兵だからネコミミとかじゃないので、そこが不満という方も多いかと思いますが、なにより伊藤勢氏の描く絵ですから。
やはり伊藤氏は思いもよらない事を成し遂げる凄い作家だ。

そういえば夢枕獏の公式ＨＰ『蓬莱宮』って、有料会員制なんですよね。コンテンツは会員にならないと見れないという。
今まで作家の作るＨＰってのは、作家自身の紹介サイトである、という認識を持っていたので、これはちょっとショックでした。菊地秀行がゴーストライター使って本出した時くらいショックです。
でも今の時代、本という媒体の限界を打破するためにはサイトの活用は絶対でしょうし、「文を売る」という小説家の稼業を考えると、その有料化は必然だったかもと、少し思いました。そういった手段でお金を稼いでいかないといけない時代になるかもしれないですしね。まあ、だからと言って金払ってまで見るか、というとそうでもないんですけど。もう少し夢枕氏の様子が見れるものにしてくれたらよかったのに。壁がある。

そうそう。今、もしくは一月の上旬あたりに、夢枕氏は他の作家や写真家とかとシルクロード旅行に行ってるみたいですね。参加者の中には、寺田克也氏もいるとか。

　　　
「【コミック版】荒野に獣 慟哭す 4 (徳間文庫 ゆ 2-33)」「【コミック版】荒野に獣 慟哭す 3 (徳間文庫 ゆ 2-31)」「闇狩り師 キマイラ天龍変 (徳間文庫 ゆ)」「ニルヴァーナパニック!!」
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夢枕獏公式HP・蓬莱宮
http://www.digiadv.co.jp/baku/
マガジンZ公式
http://www.kodansha.co.jp/zhp/hp.htm

　

ちなみに、『大猿王』の２巻が出るとか。
（追記。あれから二年たちましたが、出てません）→出ました。「西遊奇伝大猿王 2―集英社・愛蔵版」