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管理人・マミヅクによる漫画とライトノベルの感想ブログ。昔は毎日更新してましたが最近は月に数回になってしまいました。書評・論評・批評・レビューというより感想・お勧め、という感じになっていきそう。自分の読んだ漫画・ラノベを紹介してくので、ネタが新刊ばかりというわけではありません。むしろ古いものも進んで扱っていきます。前のアメブロでのブログだと記事がエクスポートできないのでこちらへ移転。少年漫画でも少女漫画でも18禁でもBLでもアクションでも恋愛でもSFでも、なんでも扱います。現在買ってる漫画雑誌は『週刊少年マガジン』『アフタヌーン』『X-EROS』『ホットミルク』『ヤングキングOURS』『夢幻転生』『月刊少年エース』『エンジェル倶楽部』『月刊モーニング・ツー』『MCあくしず』『ホットミルク濃いめ』『メガストアα』『快楽天』『ExE』という感じでエロマンガ雑誌が多め。最近、ラノベはかなり少なめ。 リンクフリー。連絡は基本的に不要。ただ、連絡していただけるのであれば嬉しいです。
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先日友人に借りた『ヨイコノミライ』。さっそく読みましたが、これが凄い!
何が凄いって、そのエグるような痛みが。

ヨイコノミライ第1巻_きづきあきら

きづきあきら(ただし、実際にはサトウナンキと共同執筆だそうです)『ヨイコノミライ 完全版』第1巻

「子供のころサッカー少年だった井之上は、漫画を読んで受けた衝撃から漫研に入部して部長になるまでの漫画好きになる。彼は真摯な気持ちで漫画作りをしようとするが、漫研にいるメンバーは誰もがひとくせもふたくせもある奇人変人ばかり。そんな中、井之上は保健室で興味を魅かれる同級生・青木さんと知り合う。彼女は井之上に、漫研メンバーによる部誌作りを提案する。それは良い考えのように思えたが、実は秘密を抱えた青木さんの思惑があり・・・」
小学館----------IKKIコミックス--------2006年--------619円

高校の漫研を舞台にした、それぞれが心に問題を抱える少年少女たちの物語。
破滅に向かって転がり落ちる、とはこのことか、とか思わせる展開。青木さんが実は自身でも漫画を描く人で、父親に無理矢理漫画を描かされ、夢も希望も失ってしまってて、その反動なのか、能天気というより、不具合の多い現実を内的理想によって代行させようとする傾向の強い漫研メンバーたちを嫌悪して、彼らを破滅させようと策略を巡らしていきます。
青木さん曰く、
「感想と批評の区別もつかない自称評論家」(いたたたた)
「現実が直視できないオカルト少女」(いたたたたた)
「文芸部からはみだしたボーイズ作家」(いたたたたたた)
「声優気取りの甘えた声・・・自己愛の強烈なナルシスト」(いたたたたたたた)
「口ばっかりプロの半可通」(いたたたたたたたた)
「なんの取り柄もない、ただのオタクに居場所を感じているだけの無能オタク」(いたたたたたたたたた)
これに
絵も描けず、話も作れない、編集で係わろうとするけど指導力も何も無い部長(いたたたたたたたたたたたた)や、自分勝手で才能と漫画そのものに見切りをつけてる同人作家などを加えて、痛々しく話が見事に転がり落ちていきます。
書評ブログ「物語三昧」さんの記事でもきづきあきら氏の漫画は「内ゲバの消耗戦」だって言ってますが、まさにその通り。

ホントに読んでて、辛かったんですが、登場人物たちの心の自縄自縛振りもそうだし、なによりオタクたちの言動が辛かったです。記号化され過ぎないで表現されててリアルな感じが。やけに生々しいんですよ。
オタクの生態を描いた漫画とかはいろいろありますが、結構パロディ化されてギャグ扱いのものばかりで、リアルなものは少なかったかと。知ってる中では『げんしけん』くらいしか無かったような気がしますが、実はこんなのが出てたのです。この漫画は2003年にweb雑誌の『COMIC SEED』というので掲載されてたそうです。そこが廃刊になって宙に浮いたのを、小学館のIKKIが見つけ出したようです。IKKIはこういうの掘り出すの結構好きですよね。

それぞれのキャラクターが心に問題を持っていて、それがそれぞれの行動原理になってるのですが、オタク的というより人間的な根深い閉塞感というか、行き詰まりの状態から行動だけに、悲惨な展開が多々有ります。でも、破滅だけの物語では無いです。最後に「生き残る」人たちもいます。そう、なんというか、この話を読んでみて、漫研とかの話というより、「生存競争」を見せられた感じがありました。

途中で掲載誌が廃刊になったこともあって、少し話を消化しきれてない感じがありますが、最後のシーンなんかは背筋がゾゾゾっとなるような凄みがありました。
友人がオススメするのもよく分かりました。今度は『メイド諸君!』を是非買おうかと思います。

  
「バーバヤガー」「メイド諸君」「増殖フェティシズム」
きずきあきら
-----------------------------------------------
参照サイト
きづきあきら&サトウナンキ(缶詰の地獄)
http://blog.livedoor.jp/k_akira777/
物語三昧 できればより深く物語を楽しむために
http://ameblo.jp/petronius/
美人同盟
http://ricobeauty.jugem.jp/

この記事もどうぞ
未熟な精神があがくその無様さと必死さが醜くもいとおしい。きづきあきら&サトウナンキ『メイド諸君!』第4巻
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/374/
痛みだけじゃない、心の優しさを読む。きづきあきら『伝染コンプレックス』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/981/


この記事へのコメント

気に入っていただけたようで何よりです。
あれはもう我が家には居場所のないかわいそうな子達なので
面倒を見ていただければ幸いです(えー

アレ読んでから同人誌作るのもちょっと考えましたね(笑)
もとより中学生の自由研究レベルだからいいや、と思い直したり。

そういえば「未来日記」第2巻ようやく買いました。
由乃かわいいよ由乃。
2巻でエンジンかかった感じですねー。
あの人はもっと突き抜けてくれるはずと期待しているので
3巻を震えて待つことにします。
Posted by m at 2006年12月07日 02:10

あの人=えすの氏、ですね。
由乃は・・・確かにさらにまだ突き抜けそうですが(^^;;

決して絵がすごく”うまい”わけではないんでしょうが、
ふしぎに目を引き付ける絵です。それが「うまい」って
ことですね。

あと、無理目な設定を力でねじ伏せてストーリーに仕立て上げる
というイメージがあるので、2巻でもまだおとなしいなぁと。
「本当にろくでもないっ!」には噴きましたが。

「花子・・・」で見せてくれた衝撃を、もう一度期待。

「ひぐらしのなく頃に」をどれか一本えすの氏に描かせれば
面白かったのになぁ、と「新聞入れから覗く由乃」を見て
思った次第。
Posted by m at 2006年12月07日 02:25

これだ!(違)

http://blog.livedoor.jp/death6coin/archives/50460855.html
Posted by m at 2006年12月07日 02:49

>中学生の自由研究レベル
そんなこといったら、こちらのは小学生の夏休みの宿題レベルですよ。
でも、確かにあれ読んだ後はちょっと気をつけるようにしたいかと。

>未来日記
二巻読まれたようですね。まあ、面白いんですが、ちょっと前のほどのパワーはまだ無いかも。
今後に期待ですよ。

『ひぐらし』やるのは賛成。非常にいいかもしれない。

>ヨイコノミライ
ありがとうございます。大事にします(ぇー
Posted by 管理人マミヅク at 2006年12月07日 06:02

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