奇術師が見せるという見た事のないマジックとは？ 加藤元浩『Q.E.D. 証明終了』第32巻

我々は斯くの如くして先の命題をそうせよと初めの折に請われし侭に証明せり



加藤元浩『Q.E.D. 証明終了』第32巻
「ある日、黒法子万十（くろほうしまんと）のマジックショーを観に行った燈馬と可奈。ショーの時に取られた本を返して欲しいならあとで来るように言われた二人は楽屋へ行くが、黒法子は燈馬にその珍しい本をよこせと言われる。見た事もないマジックを見せると言う黒法子に燈馬はそれを了承するのだが・・・」
講談社-----月マガKC------2009年------419円

テレビドラマ化された『Q.E.D.』の最新巻。私は前にこれを20巻あたりまで集めてたんですが、結構前に一端売り、今回、また32巻までの部分を買って読みました。やっぱり非常に面白い話ばかりです。
一冊に100ページくらいの話が二本入る、というパターンはいつも通り。いや、毎回毎回このペースでの連載というのは恐れ入ります。この単行本にはかつての米国で失敗してしまったマジシャンの話「マジック＆マジック」、金融危機とからめて金融工学の話と殺人事件「レッドファイル」が入っています。

なんか「マジック＆マジック」の方は、『栄光なき天才たち』のフーディーニの話を思い出しました。
「レッドファイル」の方は、銀行の投資部門の失敗と絡んで殺人事件が起きます。これには金融工学の天才・クリス・フライヤという褐色美人が登場。うーん、クールでさらに観察者視点的なところがいいなぁ。

毎回この漫画にはいい台詞があるんですが、今回は投資家の男が言う食べ物についての台詞がよかった。

「このハンバーガーとコーラは世界で一番売れている　だから世界で一番美味いものに決まっているだろ」

確かに。そうとも取れる（笑

この話に登場した金融工学で日本人が大きな役割を果たしたというのが、へ～、とか思いました。数学者の伊藤清という人が、「伊藤の定理」というのをみつけて乱数的な不確かな動きの確率を割り出せるようになったとかいうことらしい。これが今の金融工学の基礎になってるらしい。すげー。第二次世界大戦中にみつけたっていうからそれも凄い。

あ、あと、やはり事件解決の時のクリスの台詞もよかった。

ところで、この漫画、友達に面白いって言ったら、知らないって言われた。いや、はじめは小説の『QED』ってのがあるらしくて、それのことかと思われた。
いやいや、加藤元浩氏の漫画ってどれもいいんですよ～。したり顔で無力な人たちの強い想いを砕き倒す非道な『金田一少年の事件簿』なんていう謎も推理もグダグダな作品なんかよりか、絶対オススメ。

　
「C.M.B.森羅博物館の事件目録」は10巻まできてます。「ロケットマン」は講談社漫画文庫からではじめてます。
TVドラマの方は、NHKの「ドラマ8」でやってるそうです。主演は高橋愛と中村蒼。もうちょっと二人の身長が同じくらいだと嬉しかったかな。
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麻雀漫画が大好きという男性の本棚（ヲタクの本棚）
これだけ偏ってるのも凄いな！

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あの質ですから、結構受けるんじゃないかな〜

禁書。美琴が最近かわいいぜ。（発光ダイオードplus）

　　

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関連サイト
加藤元浩
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E8%97%A4%E5%85%83%E6%B5%A9
月刊少年マガジンGREAT
http://kc.kodansha.co.jp/magazine/index.php/04778
Q．E．D． 証明終了 | NHKドラマ8
http://www.nhk.or.jp/drama8/qed/

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