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管理人・マミヅクによる漫画とライトノベルの感想ブログ。昔は毎日更新してましたが最近は月に数回になってしまいました。書評・論評・批評・レビューというより感想・お勧め、という感じになっていきそう。自分の読んだ漫画・ラノベを紹介してくので、ネタが新刊ばかりというわけではありません。むしろ古いものも進んで扱っていきます。前のアメブロでのブログだと記事がエクスポートできないのでこちらへ移転。少年漫画でも少女漫画でも18禁でもBLでもアクションでも恋愛でもSFでも、なんでも扱います。現在買ってる漫画雑誌は『週刊少年マガジン』『アフタヌーン』『X-EROS』『ホットミルク』『ヤングキングOURS』『夢幻転生』『月刊少年エース』『エンジェル倶楽部』『月刊モーニング・ツー』『MCあくしず』『ホットミルク濃いめ』『メガストアα』『快楽天』『ExE』という感じでエロマンガ雑誌が多め。最近、ラノベはかなり少なめ。 リンクフリー。連絡は基本的に不要。ただ、連絡していただけるのであれば嬉しいです。
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きづきあきらの漫画で味わえるあの感覚をなんて名付けよう、とか思うのですが、いまいちしっくりするのが無いですね。これ読んでも、そう思いました。

モン・スール mon seul_きづきあきら_きずきあきら

きづきあきら『モン・スール mon seul』

「池内は妹の美波と二人暮らし。母親はずっと前にいなくなり、この前父親も失踪してしまったから。池内の親友・神田はそんな二人を支えてくれた。しかし、この三人の関係は微妙な均衡の上にあり・・・」
ワニブックス-----ガムコミックスプラス----2006年---580円

2002年からweb漫画雑誌に掲載された作品をまとめたもので、すでに1度出てたんですが、その単行本は絶版したので、2006年にワニブックスから再び出すことになったようです。なので、前の単行本には入ってなかった、後日談の短編が入った一冊になってます。

「きづきあきら漫画」ともいうべき独特の作風を持つ強烈な作家さんですが、これもまたおもーいテーマを扱ったものですね。前に紹介した『伝染コンプレックス』は近親相姦くくりの短編集的一冊となってましたが、今回のは大半がタイトルにもなってる『モンスール』というひとつの続きものの話となってます。
幼児性愛が話の中心的テーマなのかと思ったら、そういうものではまったくありません。いや、話の中で使われることになるイベントではあるのですが、それそのものがテーマでは無いということ。それよりも、家族というものの枠や「大切な人として思ってもらうこと」がテーマという感じでしょうか。
話はいきなり破綻した家族の、家に残された兄妹からはじまります。離婚済みでさらに父親は失踪。大学生の兄は神田という幼なじみの支えがあってやってくことが出来るようになります。しかし、もとよりバラバラだった家族の関係に神田という頼りになる人物が入ってくることで、その家族の中で重要だったものの中心は移動してしまいます。

「あたしが考えて、ふたりを守ってあげなきゃいけないんだ。甘えないで、がんばらなきゃ・・・」

しっかりしている小学生・美波は、しっかりし過ぎだが、だがやはり幼い子供であったがために、兄、神田、そして父親に決断を促し、その行動を決定づけることになります。そしてその中で、美波は自分が保護される存在であることを自らやめ、一人の「女」として行動します。

うぐぐ。なんか、表面的にみれば美波ちゃんが辛そうでかわいそうでたまらない話ですよ。けど、この話の中で1番生き生きと鮮やかに生きているキャラはやっぱり美波ちゃんなんですよね。
ダメな男(大人)たちに囲まれた少女の生き様を見よ!

全体的に小劇場でやる社会派劇団の舞台を見てるような感じがしました。状況はかなり限定的で、キャラクターたち以外の周辺がかなり希薄なものとして扱われ、よりキャラクターたちの行動・思考に話が纏まって描かれています。

この『モン・スール』の他には、『ぼくの幸せな生活』(盗聴アパート!)、『午前10時30分のうさぎ様』(着ぐるみ!)、『長グツをはいたネコ』(家庭教師と少女!)、『たのしいなつやすみ』(女二人海水浴!)、『Childrood's end』(はじめてのお化粧!)の5つの短編があります。(カッコの解説は内容を要約してみたもの。たぶんそんな感じ。)

単行本の最後に、『モン・スール』の後日談、『16歳』が入っていますが、ここで安直なエンディングを持ってこないのがきづきあきらの良さ! と言っておきます。個人的にはハッピーエンディングを見たかったですが、それは「それぞれお考えのラスト」としておいて、この『16歳』を楽しみました。(自分内ではこの後日談のさらに後日談が流れてますから~)。この『16歳』の後日は、実は池内でも美波でもなく、神田に用意されたエンディングですから。神田、お前は身勝手だけどいいやつだよ・・・。

ちなみに、この連載の時もすでにきづきあきら氏はサトウナンキ氏と共同で描いていたようですね。どっちも脚本・作画両方やるというタイプらしいです。

あと、ワニブックスは、ワニマガジン社とともにKKベストセラーズから分かれた会社ですが、wikiによると資本・人的関係は無い別会社とのこと。ワニブックスの方がアイドル雑誌・写真集とか、ワニマガジンの方が漫画などという分業としてたんですが、現在、どっちも漫画に手を出してるわけですね。『コミックガム』がブックス、『快楽天』がワニマガジン。そういや、塩野干支郎次氏の『ネコサスシックス』とか『エクストラ・イグジステンス』もワニブックスですね。

  
きずきあきら
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今週中に映画の『墨攻』を見ようと思ってたんですが、行けるかな。
行く気はあるけど、タイミングのズレがあってまだ行けてません。去年は映画運の無い年で観た映画が一桁という状況だったので、せめて今年はもうちょい見たいですね。

  

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参照サイト
きづきあきら・缶詰の地獄
http://blog.livedoor.jp/k_akira777/
サトウナンキ・黄金の仔牛
http://blog.livedoor.jp/t_rkd/
ワニブックス
http://www.wani.co.jp/

この記事もどうぞ。
芳文社の百合アンソロジーが創刊されました。『つぼみ』VOL.1。宇河弘樹やはっとりみつるも参加
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/1030/
出来のいい中学生の妹が実は妹属性を持つオタクだったなんて!? 伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/627/
痛みだけじゃない、心の優しさを読む。きづきあきら『伝染コンプレックス』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/981/



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