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管理人・マミヅクによる漫画とライトノベルの感想ブログ。昔は毎日更新してましたが最近は月に数回になってしまいました。書評・論評・批評・レビューというより感想・お勧め、という感じになっていきそう。自分の読んだ漫画・ラノベを紹介してくので、ネタが新刊ばかりというわけではありません。むしろ古いものも進んで扱っていきます。前のアメブロでのブログだと記事がエクスポートできないのでこちらへ移転。少年漫画でも少女漫画でも18禁でもBLでもアクションでも恋愛でもSFでも、なんでも扱います。現在買ってる漫画雑誌は『週刊少年マガジン』『アフタヌーン』『X-EROS』『ホットミルク』『ヤングキングOURS』『夢幻転生』『月刊少年エース』『エンジェル倶楽部』『月刊モーニング・ツー』『MCあくしず』『ホットミルク濃いめ』『メガストアα』『快楽天』『ExE』という感じでエロマンガ雑誌が多め。最近、ラノベはかなり少なめ。 リンクフリー。連絡は基本的に不要。ただ、連絡していただけるのであれば嬉しいです。
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今夜のシコルスキー_F4U(えふよんゆう)

F4U『今夜のシコルスキー』

「隣の家に住む幼馴染みの『まい』が、家庭教師が来ているのに遊びに『ようちゃん』の部屋にやって来ていた。彼女はその家庭教師と付き合っているはずなのだが。そんな時、おもむろに彼女がローターの仕込まれた股間を見せながら言う。彼氏にHなことをいっぱいされているが、今日はようちゃんに処女を貰ってもらってこいと言われてきた、のだと・・・」
コアマガジン--------メガストアコミックスシリーズNo.205------2009年----1000円

初単行本ながらその作風が各所で絶賛されているF4U氏の『今夜のシコルスキー』です。その独特な語り口と描写は、不思議な魅力に溢れています。
収録作品は、2006年から2008年にかけて「コミックメガストア」に収録されたもので、紹介文にも書いた「誰が為か・・・」、大家の娘が店子に迫る「ザーメン☆ティッシュ」、漫画喫茶でHに及ぶ恋人達を描く「きみが苦笑いしてこまらないように」、引きこもりの同級生を見舞う話「祢津さんが来てくれる」、客のこない喫茶店の客とウェイトレスがお店でする「さらば、純喫茶マスタング」、姉の彼氏に女と認められてうれしがる妹が捧げる「夏に処女がすごい減る」、番長の女であるマリーさんが彼のいない学校を守る「ありがとうマリーさん」、相談にのってあげることで役得のある「スクールカウンセラー琴音」、合宿で男子ふたりにやられてしまう「だめになる酒」、題名の無い6ページおまけ漫画の10本。おまけ漫画は「きみが苦笑いしてこまらないように」の二人がお口でします。

はじめはこれを読んでみて、ここまでゾクっとくるとは思いませんでした。単行本の前半は普通に幸せな作品が多いのですが、後半での陰のある作品は格別。いや、一個目の作品「誰が為か・・」でも実はそうなんでこれも含めて考えますが、「夏に処女がすごい減る」、「ありがとうマリーさん」、「スクールカウンセラー琴音」、「だめになる酒」といった作品に共通する、男女間の視点の違いが凄まじく、あまりのギャップに目眩がしそうです。女子側の好意や真摯さ、幸せ感といったものが、男子側にとってはまったく逆に作用していて、酷薄で残虐な相手をあざ笑う悪意が彼女たちを凌辱していきます。なんといったらいいんでしょうか、「和姦を装った凌辱」とでもいいますか。これらの作品では、基本的に合意の上でコトに及ぶのですが、精神的にまったくそうではありません。恐るべきことに、女の子たちの考えの上では、「幸せな」もしくは「優位な立場での」セックスということになっているのですが、その実、言いくるめによって男たちの望むがままに事態は進行し、男たちにとって征服感を楽しむ嘲笑に満ちた凌辱でしかありません。しかも、いくつかはその状態が女の子側にとって、満足の行く結果となってしまっていることです。読んでみれば解りますが、その互いの感情が齟齬を起こしているのに両者に合意や満足があり、それでいて女子側が客観的に不幸というおぞましい状況にはゾッとします。そして、それが凄まじい背徳的な淫らさと、性欲を越える別の興奮せざるを得ない内なる心の何かを生み出しています。自分のそれに気づくとギョっとします。

この作品がただ暗いだけの作品とかに終わらないのは、悪意をコメディでまぎらわせてるのか、悪意あってコメディとしているのかよくわからないけど、可笑しさを盛り込んでいるところでしょう。なぜかHなシーンで登場するモノローグが、なんというか文学調? ・・・いや違うか・・・『バキ』とか板垣系の格闘漫画の解説風とでも言えばいいのでしょうか。

「説明しよう。現行法ではこれ以上のカウンセリングにおける性行為を許可していない。つまりここで万策尽き果てたのだ!!! だがしかし、山村琴音ーー咆(ほ)える!!!!」

これ、「スクールカウンセラー琴音」からの抜粋ですが、モノローグとして語られるここらへんのノリが、なんでエロ漫画でコレなのか、と思わせたりする異質さで、それでいて何か楽しいのですよ。

それに、私が「等高線性器」と勝手に呼んでいる性器の描写や、多用される迫力ある膣内部の断面図映像、小さめに描かれた口が行為時に見せる複雑な表情などなど、描写にもこだわりが感じられ、そこらへんも楽しめます。

他にもいろいろ言いたいことがありますが、とりあえず読み応えのあるいい漫画でした。同人誌もいくつか出しているようなので、さっそくさがして読んでみたいと思います。

自画像にも女性として描かれてますが、作者のF4U氏って女性なんですか? ホントか? こんな非道な作品書けるのに女性だというなら驚きです。

 
「文化部をいくつか」「ペットライフ」「放課後乱交クラブ」
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「扉をコジあけて」「マジスキ」「ねんどろいど らき☆すたOVA ミックミクかがみ」
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関連サイト
F4U(漫画家)
http://ja.wikipedia.org/wiki/F4U_(%E6%BC%AB%E7%94%BB%E5%AE%B6)
F4U:今夜のシコルスキー発売 「クレイジー!アナーキー!フルボッキ!」(アキバblog)
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50796521.html

この記事もどうぞ。
かつての監禁事件の被害者の少女が、同級生によって再び監禁され・・・。天竺浪人『PARADISE LOST(パラダイス・ロスト)』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/733/
マンモス校にひしめく文化部で、我が道を行く部員たちの饗宴。F4U『文化部をいくつか』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/1151/
おっぱい弄りに一家言ある人は必見。フエタキシ氏の初単行本。フエタキシ作品集『チューべろーず』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/1182/
紅潮した女の子がかわいくてイヤラシイ。虚無の歌の佐藤登志雄の初単行本が発売!『放課後乱交クラブ』
http://mamiduku.blog.shinobi.jp/Entry/615/


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